最終査定レッスンより──「信じる」という力

生徒様が、ディプロマコースの最終課題、
本部講師による「査定レッスン」に臨まれました。

花材の選定からデザイン、そしてブーケの完成まで──
すべてをひとりで行うこのレッスンは、
これまで積み重ねてきた学びの集大成であると同時に、
「自分の感性をかたちにする」
そんな、自分自身の内面と向き合う時間でもあります。

彼女は、初めてお会いした時から、どこか遠慮がちに、
ご自身の選択や感覚を見つめていらっしゃる印象がありました。
豊かな感性と技術を備えていながら、
その価値を、自分自身ではなかなか認めきれない──
そんな様子が、記憶に残っています。

けれど、丁寧で誠実に花と向き合う姿勢の中には、
静かな強さがあり、
レッスンを重ねるごとに、
それらが、少しずつ確かな輪郭を帯びていくのを感じていました。

そして迎えた、査定レッスン前の最後のレッスン。
私が彼女に伝えたのは、ただひと言――「自信を持って」。
彼女に必要だったのは、それだけでした。

査定レッスンの日。
彼女が選んだ花材は、凛とした佇まいのカラー。
その潔さと、彼女のしなやかな感性が重なり合い、
美しいバランスで束ねられたアームブーケが完成しました。

写真越しにその作品を拝見し、
彼女のこれまでの歩みと、心の変化がそっと重なって見えた気がしました。

この一歩が、きっとこれからの人生を照らしていく。
その始まりを、心から嬉しく思っています。

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