かー君のこと


写真とは全く関係がありませんが、先日の続きを…
強烈な印象のその人の名は「かー君」。
彼と過ごした日々はそれほど長くはありませんでしたが、
幾つもの忘れられない記憶が残されました。
一番最初は幼稚園の年長の頃。
通っていた幼稚園ではその月に生まれた子ども達が
皆の前で横一列に並べられて、将来就きたい職業を述べる
と言うのが慣例でした。
私と彼は生れ月が同じだったらしく、
例に倣って一人ずつ順に 保母さんだの、ピアノの先生だの
ケーキ屋さんだのと発表していく中、それまでそんな事
一度たりとも考えたことがなかった私は、
ドキドキしながら前の人を真似して「ほ…ほぼさん…」と
小さな声で答えたのを覚えています。
心の中で(うそつき!)と毒つきながら^^
次はいよいよ彼の番…
そこで彼は私より更に小さな声で、しかしはっきりと
「さんりんしゃ…」と答えたのです。
予想外の答えに、周りの空気が「!?」。
マイクを持って順調にインタビューしていた若い先生も
明らかに狼狽えてオロオロ。
それは欲しいものよね? なりたいものはなあに?
と言う様な事を優しく聞いてはみたものの、
何度尋ねても答えは「さんりんしゃ」。
辺りに漂う妙な雰囲気…。
保護者たちの憐みの目。
それがかー君という人物を最初に認識した出来事
だったのでした。
つづく
Tale of Tail**カルトナージュ布箱のお店**